八犬伝世界のやたらと詳細な年表。『八犬伝』にはまって間もないころ自分の心覚えに作ったものを大幅に改定しました。作中で何日何時とはっきり書かれているエピソードはもちろん、かなりの確率でいつの出来事かが推測できるエピソードからできないエピソードまで拾ってみました。正直これより詳しい年表は見たことがない！（ばかばかしいから誰も作らないだけ）誰の役にたつのか怪しいかぎりですが、『八犬伝』の小説でも書こうという人にはちょっとくらい参考になるかもしれないです。たぶん。
凡例
・原作中の「真夜中」「三更」「子の刻」や、「夕方」「黄昏時」「日没頃」などの表現がどれが時間的に一番早いんだかよくわからず、そのときどきの感じで並べています。
・ほぼ同時期に起きたと思われるエピソード複数を句点だけ打って一段落に入れてる場合と行をかえて「同じ頃」として紹介してる場合とあります。主に段落の長さが判断基準。
・「四半刻？後」という表記はたいていの場合、〈これだけの事が進行するには数十分はかかるだろう〉という予測に拠っています（四半刻は約３０分）。〈数分後〉程度のものは「少し後」「ちょっと後」などと表現してます。
・「同日（翌日）」という表記が頻出してますが、これは不定時法では同日、定時法なら翌日という意味です（定時法・不定時法については「番外・江戸の時制について」参照）。「翌日？」となっているのは午前０時の前か後か微妙なケース。
・作中の表記と歴史的事実が異なっている場合、作品に書いてあるほうに従っています（例えば足利持氏が没したのは史実では永安寺だが、原作どおり報国寺とした）。とてもじゃないが全部ウラ取ってはいられない・・・。
・１ページ目は文明十三年までの、２ページ目は文明十四年以降の出来事となっています。
１１００年代？ 武蔵国葵岡の洞に真猯が棲みつく
治承三年 八月 源頼朝 石橋山で敗戦。安房へ
（１１７９年）
正治二年 五月二日 源頼家 常盛対義秀の相撲を見物
（１２００年）
建長六年 閏五月一日 北条時頼の指図で御前試合
（１２５４年）
応安七年 上総の一作誕生
（＝文中三年）
（１３７４年）
応永二十三年 犬山道策生まれる
応永二十四年 糠助生まれる
（１４１７年）
応永三十年 里見義実生まれる
（１４２３年）
応永三十年？ 古那屋文五兵衛生まれる
応永三十三年 大塚（犬塚）番作生まれる
（１４２６年） 手束生まれる
応永三十四年？ 犬江屋真平生まれる
（１４２７年）
正長・永享・嘉吉ごろ 胆吹山の盗賊・但鳥跖六暴れまわる
永享四年 太田資長（持資）道灌生まれる
（１４３２年）
永享九年 金碗八郎 安房を出奔
（１４３７年）
同年？ 八郎 一作の家に寄宿。娘濃萩と懇ろに
同年？ 某日 金碗大輔誕生
七日後 濃萩死亡
永享十一年 二月十日 足利持氏・義成親子 鎌倉の報国寺で自害
（１４３９年） 大塚匠作 春王・安王を守り鎌倉脱出、結城へ
春 結城氏朝、春王・安王を奉じて篭城（結城合戦）
？ 山賊酒顛二生まれる
永享十一年？ 冬？ 天津九三四郎の姉 神余光弘の子をはらむ
稲戸由充生まれる
永享十二年 手束の母 夫を案じるあまり病に
（１４４０年） 春 木工作の母死亡
永享十二年？ 初夏 山下定包 神余光弘に狩を提案
同日 定包 落羽・青麦の村長らに狩のことを知らせる
同日（翌日） 丑三時 杣木朴平・洲崎無垢三 落羽畷の東北の岡にひそむ
翌日 朝 光弘ら狩猟。朴平・無垢三 光弘・那古七郎・天津兵内を誤殺。無垢三死亡、朴平捕われる
翌日 光弘の棺 香華院へ送られる
同日 朴平獄死。無垢三ともども梟首
数日後 定包 滝田城主に
？ 那古七郎の弟（古那屋文五兵衛） 行徳に落ちのびる
？ 犬江屋真平（朴平の息子） 安房逐電。市川の犬江屋の小者に
？ 天津九三四郎 姉を連れて上総へ逃げる
秋 一作の妻 病に
秋？ 上甘理弘世生まれる
大晦日 一作の妻死亡
嘉吉元年 金碗八郎 上総に戻ってくる。主家の滅亡を知る
（１４４１年） 扇谷定正生まれる
四月十六日 巌木五郎裏切り。結城落城。里見季基・井直秀・下河辺為清戦死。その嫡男義実・大塚匠作の息子番作・氷垣夏行 それぞれに城を脱出
同日 為清の娘盧橘 母とともに流浪生活へ
同日？ 直秀の老僕 直秀の死を手束母子に伝えて切腹殉死
同日？ 井家の使用人つぎつぎ逃亡
同日？ 夏行 穂北に逃げ込む
同日 夕 義実逃げ切る
同日 夜 民家？に宿
四月十八日 義実主従 悪太郎に泥投げられる。白竜を目撃。船で安房へ出発
四月十九日？※１ 麻呂信時、安西景連を訪ね定包討伐を持ちかける。義実 安西を訪ねる
同日 義実 白浜へ向かう
四月二十日 明け方 白浜着。さっそく釣りをはじめる
四月二十二日 義実 金碗八郎に出会う
同日 亥の時 八郎 誕生寺そばの竹林に放火。里人消火のため集合
同日（翌朝） 明け方近く 八郎ら東条城落とす
四月二十三日？ 恩賞与える。ほか法度ゆるくしたり軍令正したり
同日 夜 前原浦と浜荻の堺橋を通るとき、野武士ら義実の徳を慕い下につく
同日（翌日？） 真夜中 待崎そばの神祠で白鳩現れる奇瑞
同日（翌日） 未明 義実ら 滝田（玉下）城を囲む。
四月二十六日？（包囲後三日目）夕方 堀内貞行 妻立戸五郎をみとがめる。義実 東条の杉倉氏元に使いを出す
数日後？ 景連 氏元に内通
五月頃？ 里見季基の家来十十八 主君の骨壷と形見の刀持って逸匹寺へ。そのまま出家（法名浄西）
五月某日（出陣から七、八日後） 義実兵糧尽きる。義実 貞行・八郎の進言退ける。鳩を使い檄文まく。雑兵ら裏切り計画。氏元 信時を討ち取る
翌日 妻立 岩熊鈍平をかたらって定包を討つ
翌日 義実首実検。岩熊・妻立・玉梓処刑
翌日？（早朝） 氏元の使者（蜑崎輝武）到着
数時間？後 氏元の使者某乙（なにがし） 景連が平館落としたことを告げる
五月十日 春王・安王 京へ送られる。匠作ひそかに行列をつける
五月十一日 手束の母死去
五月十六日 春王・安王 青野が原へ。京から使いが来て処刑が決まる。手束 親の墓参り
同日 夜 金蓮寺で処刑。匠作斬り死に。番作 父親と両公達の首を持って逃走、指名手配される
同日？ 匠作の遺体 清方の命令で市に捨てられる
五月十七日 昼？ 手束 親の墓参り。粘華庵の留守番頼まれる
同日 夕 番作 吉蘇山中の夜長嶽着
同日 夜（月の出る頃） 番作 粘華庵へ
同日 小夜深る頃 蚊牛帰宅、手束をくどく
同日 夜中？ 番作 蚊牛を殺害。手束と筑摩へ向かう
五月十八日？ 長尾主従に御教書届く。両公達と士卒の遺体埋葬
五月十九日？ 長尾ら樽井出発。鎌倉へ
六月土用半ば 景連の老党蕪戸訥平 滝田城へ。安西と里見 誼を通じる
七月七日 夜 点茶の礼。八郎自害
七月上旬 番作の母 夫の死を知って寝たきりに
七月二十四日 浄西 結城に辻堂を建立
七月末日 番作の母死亡
秋〜冬 義実 五十子をめとる
嘉吉元年？ 夏行の部下 穂北に逃れてくる。地頭穂北氏 妻子親族つれて京へ
嘉吉元、二年 盧橘母子 義実に引き取られる
嘉吉二年 晩夏 伏姫誕生
（１４４２年）
嘉吉二、三年？ 船虫生まれる
嘉吉三年 足利成氏 鎌倉へ迎えられる
（１４４３年） 赤岩一角の後妻窓井生まれる
山内顕定生まれる
大塚蟇六 鎌倉へ参上し大塚村長の地位を得る
七月頃 番作夫婦たくわえ尽きる。成氏の噂を耳にする
八月 信濃出発
十月末 大塚村近くの白屋到着。母の死を知る
数日？後 番作 里人を訪れる
数日？後 番作夫婦 村人の世話で大塚村に住む
一ヶ月くらい後 亀篠 番作に挨拶に来るよう催促。番作つっぱねる
晩冬 里見義成誕生
嘉吉四年 伏姫三歳 洲崎明神で役行者に数珠もらう
（１４４４年）
文安元、二年 管領細河政元生まれる
同年 悪僧徳用生まれる
文安二、三年 稲戸由充 継母のために父に勘当され親族のもとに居候
（１４４５、４６年）
文安三年※２ 千葉自胤生まれる
（１４４６年）
文安四、五年？ 夏引生まれる
（１４４７、４８年）
文安五年 伏姫七歳 手習・音楽に精を出し美貌も冴える
（１４４８年）
文安五、六年 盧橘の母死亡※３
宝徳三年 粟飯原夢之助生まれる
（１４５１年）
宝徳三年？ 春 浄西法師の妻死亡。息子（影西）十二歳。父を訪ねてくる
同じ頃 当時の逸匹寺の住職（未得の師）遷化、未得住持に。未得 影西に祝髪させる
宝徳三、四年 馬加郷武生まれる
宝徳四年？ 浄西 風眼をわずらいやがて失明。影西 寺を出て乞食しながら父を養う
（１４５２年）
享徳？年〜文明十一年 扇谷定正 白井に居城
享徳元（二？）年 伏姫十一（十二？）歳 和漢の書に通じ孝貞忠恕にすぐれる
（１４５２年）
同年？ 某日 百姓技平の犬、子（八房）を産む
七日？後 夜 狼 母犬を食い殺す
翌日 朝 技平 母犬の死を知る
十日後 八房 目を開く
数日後 朝 技平 狸を目撃
同日 夕方 技平 狸と鬼火目撃
四五十日後 八房成長。狸来なくなる
しばらく後 堀内貞行 八房の噂を聞く。実物を確認し義実の耳に入れる
数日後 貞行 八房を召しよせる
享徳三年 網乾左母二郎生まれる
（１４５４年） 十二月 成氏 管領上杉憲忠を謀殺
享徳四年＝康正元年 秋 下総千葉家 内乱
（１４５５年） 冬 管領 千葉実胤を石浜城、自胤を赤塚城に据え置く。千葉家ますます分裂
康正元、二年※４ 足利成氏 許我に移住
（１４５５、５６年）
長禄元年（康正二年？）※５ 八月 安房郡・朝夷郡飢饉。義実、救援米送る
（１４５７年）（１４５６年？）
長禄元年 山林房八郎生まれる
秋 手束 弁才天に通いはじめる
長禄二年（長禄元年？） 七月頃 平郡郡・長狭郡飢饉
（１４５８年）（１４５７年？） 七月頃某日 金碗大輔 米を借りる（返してもらう）ため安西領へ※６
五、六日後 大輔 城を脱出。訥平と戦い行方不明に
同日？ 安西軍 滝田襲撃
二、三日後？ 大輔滝田へ戻る。城に入れず東条へ走る
二、三日後？ 大輔東条着。城に入れず、援軍求めに鎌倉へ向かう
一、二日後？ 大輔鎌倉着 管領の御所へ
三、四日後 里見軍の飢え深刻に
同日 夜 八房 戯言を信じて景連の首を取る。里見軍勝利
翌日 朝 里見軍 粥食べる
数日後 東条に景連死亡の噂届く
同日 夜 訥平 部下数名と逃亡
数日？後 足利成氏 義実を治部少輔に
同時期？ 大輔安房帰還。上総に隠遁
数日後？ 八房 伏姫に飛びかかる。伏姫 八房に従うことを決意
同日 暮 伏姫・八房 城を出る
翌日 明け方 蜑崎輝武 富山到着。川に流され死亡
翌日 夜 蜑崎の従者 滝田へ帰還
冬 犬山道節の母阿是非懐妊。音音妊娠発覚
長禄二、三年 三月 二六郎（徳用）十四歳。関白持通の車と争って捕らえられ、出家
長禄三年（長禄二年？） ？ 義実 治部大輔に
？ 曳手生まれる
春（二月？） 伏姫懐妊
（１４５９年）（１４５８年？） 七月某日 大輔 伏姫探しに富山へ入る
四、五日後 五十子危篤。堀内貞行 滝田へ
翌日 未明 義実・貞行 富山へ出発
同日 巳の刻 五十子死去
同日 伏姫 謎の童子（役行者？）に会う。義実・貞行 富山着。伏姫 八房と心中未遂、大輔に撃たれる
同日 初更（夜） 伏姫切腹。大輔出家
数時間後 滝田の使い到着。追って再度の使い到着
翌日 暁 義実 滝田帰還。貞行 棺の用意を申し付ける
昼すぎ 富山の村長・法師・百姓ら棺を洞へ運ぶ
同日 木こりら富山へ入れるように。伏姫・八房 葬られる
同日？ 滝田で五十子の葬式
四十八日後 伏姫・五十子の四十九日。滝田で大斂忌
同日 朝 丶大（大輔） 木こりに伝言残して旅立つ
某日 巳の刻 義実隠遁宣言
数日後 家督ゆずりの儀式。義成安房守に
八月（二十三日？） 伏姫一周忌※７。義実遁世，突然居士と号す
九月戊戌の日（十九日） 犬山道節生まれる
九月二十日 手束 神女に出会う
九月（十月？）某日（九月十九日より後） 十条力二郎・尺八郎生まれる。
数日後？ 姥雪世四郎 主家をクビ。音音 道節の乳母に。力二・尺八 里子に出される
十月二十日 犬飼現八生まれる
同日？ 現八母子病に
十二月一日 犬川荘助生まれる
長禄四年（長禄三年？） 七月頃 伏姫一周忌。富山に観音堂つくる（長禄三年の項の記述とダブる）
（１４６０年）（１４５９年？）
長禄四年 七月某日 糠助の先妻死亡
数十日？後（七月中） 糠助 役行者の聖地で漁
数日後？（七月中） 伏姫・五十子の三回忌
数日後 糠助 安房追放
数日後 糠助自殺未遂。玄吉（見八、現八） 犬飼見兵衛に引き取られる。見兵衛 見八をしばらく古那屋に預ける
数日後 糠助大塚へ。農家で働く
一ヶ月弱後 見兵衛 見八を迎えにくる
寛正元年頃？ 五月十五日 馬加鞍弥吾生まれる
寛正元年頃？ 浄西 眠るように死亡
寛正元年 七月戊戌の日（二十四日） 犬塚信乃誕生※８
（１４６０年） ？ 小文吾の妹沼藺生まれる
？ 犬村大角生まれる
寛正二年 ？ 単節生まれる
（１４６１年） ？ 粟飯原胤度の娘玉枕生まれる
糠助 百姓籾七の後家のもとに婿入り
？ 沼藺 仁の玉を呑む
寛正二、三年※９ 千葉自胤 嵐山を探す触れを出す
寛正三年 一月 浜路（正月）誕生
（１４６２年） ？ 雛衣誕生
寛正三、四年 春 赤岩一角の先妻正香死亡
同年 夏 一角 窓井を後妻に迎える
寛正四年？ 河鯉（政木）孝嗣生まれる
寛正四年
（１４６３年） 三月？（春の末） 犬山道策 主の使者として京へ ※１０
二、三日？後 黒白 道松（道節）母子を殺害
数日？後（月末） 道策下向
十数日後（道松らの死から二十二日後） 道策 練馬到着
翌日 道松復活
某日 大塚夫婦に養子縁組の話がもちあがる
五、六日後 浜路 大塚へ
毛野の母調布懐妊
寛正四、五年 粟飯原胤度 鎌倉で雪篠購入
寛正五年 春 力二・尺八 音音のもとに戻され道節の伽に
（１４６４年） 十月二日 赤岩一角 庚申山へ入ると言い出す
十月三日 未明 一角出発
同日 昼過ぎ？ 一角 奥の院へ
同日 二時後（日暮れ前） 一角の門弟ら騒ぎ出す
同日 黄昏時 一角の門弟ら帰還。
十月四日 里人ら庚申山へ捜索隊を出す
同日 未の刻 成果なく引き返す
同日 申の刻 一角戻ってくる（じつは偽者）
十一月 窓井懐妊
寛正五年？ 孝嗣二歳。政木狐妊娠、出産
同年 河鯉守如 君命で京の将軍家へ
某日 掛田和奈三 狐の足跡を発見。鼠をごま油で炒る
同日 夜 河鯉家の先祖の忌日の逮夜。政木狐の夫 罠にかかって死ぬ
数日？後 和奈三 子狐を狩ろうとして守如の妻にばれ謹慎処分
四、五十日後 守如帰宅、和奈三のクビを決める
数十日？後 政木狐の子 一人立ち
某日 夜 和奈三 政木と駆け落ち。政木狐 二人を滝野川村にさそいこみ溺れ死なせる
翌日 暁 政木狐 忍岡城へ戻る。政木に変身し孝嗣の乳母に
寛正五、六年 犬川荘之助（荘助） 雪篠の存在を知る
寛正六年？ 孝嗣の母 血塊の病で伏す
半年余後 孝嗣の母死去。孝嗣ますます政木狐になつく
寛正六年 足利義尚生まれる
（１４６５年） 八月 赤岩牙二郎生まれる。角太郎（大角）への虐待始まる
？（六年中のいつか） 角太郎 犬村に引き取られる
九月十一日 犬川衛士自害※１１
数日？後 犬川母子流浪
十一月某日 申の刻 粟飯原胤度謀殺。船虫夫婦 雪篠と嵐山奪って逃走
同日 夜 籠山縁連 岩槻ほとりの古寺宿
同日（翌日） 暁 縁連逐電
同日？ 粟飯原一族処刑。妾調布堕胎薬飲まされる（三日間）
二日後 調布追放
十一月二十九日 犬川母死亡
十二月末 夕 調布 玉が懐に入る
同日 初更 犬坂毛野生まれる
寛正六、七年 縁連 赤岩一角（偽者）に弟子入り
文正元年 小文吾八歳、尻にあざつくる
（１４６６年） ？ 浜路姫生まれる※１２
満呂再太郎生まれる
三浦義武生まれる
静峯姫生まれる
文正元年頃？ 実胤多病のため美濃に退隠。まもなく死亡
文正元、二年 毛野母子蓄え尽きて鎌倉へ、田楽一座に入る
文正元、二年 扇谷定正の長男の妻貌姑姫生まれる
文正元、二年 角太郎 手習いなどはじめる
応仁？年 地頭穂北氏 京で戦死。夏行 部下とともに穂北を開墾。
応仁元年？ 夏某日 孝嗣五歳。政木狐 孝嗣に狐の顔見とがめられ逃亡
翌日 守如 政木の身元保証人を呼び彼女の逐電告げる
同年 冬 扇谷の老党何某病死。定正 守如をその後役に。守如一家 五十子城へ移る。政木 忍岡を去り上野の原に、人助けの志を立て茶店開く
応仁元年 応仁の乱起こる
（１４６７年） 城之戸姫、鄙木姫生まれる
春 額蔵 立身の志を立てる
秋 馬加大記 調布の出産を風の噂に聞き、犬坂に老僕を派遣
応仁元、二年 窓井頓死
応仁二年 信乃九歳。与四郎にのりはじめる
（１４６８年） 雪吹姫（細河政元の養女）生まれる
竹野姫生まれる
照文の娘山鳩生まれる
秋 手束 病床につく
九月下旬 浜路姫 鷲にさらわれる
十月初旬〜中旬 手束いよいよ衰弱
十月初旬〜中旬の某日 未明 糠助 神宮川に魚釣りに出かける
同日 朝 信乃 滝の川に薬とりに出かける
同日 未の刻すぎ 信乃 糠助と帰宅
十月下旬 手束死去
翌日 夕 手束の葬儀
十二月半ば（四十九日＋α後） 信乃 父に女装の理由を問い詰める
応仁二年頃？ 籠山縁連 赤岩道場の弟子頭に
文明元年 長尾太郎為景（景春の子）生まれる
（１４６９年） 葛羅姫（柳丸の姉）生まれる
栞姫、小波姫生まれる
某日 夜 額蔵 母が埋められた木に注連縄かける
文明二年 氷垣夏行 三郷の長に
（１４７０年） 信乃十一歳。番作 体衰えて農業の本を記す。蟇六 紀二郎を飼う
弟姫生まれる
某日 与四郎 紀二郎をかみ殺す。蟇六 犬塚家へ抗議
同日 夜 与四郎を滝の川の寺に預ける。与四郎すぐ帰宅
翌日
与四郎を牛嶋に捨てる。でも帰ってくる
五、六日後（三月某日） 与四郎捨てるのを断念。信乃 大塚家の前で与四郎を打つ。与四郎半殺しに
同日 亀篠 糠助に御教書の話をふきこむ。糠助 番作に村雨丸を渡すよう説得
同日 夕 番作自害。信乃 与四郎を斬って玉を得る
同日 夜 番作の通夜
同日？ 亀篠 信乃のもとに額蔵を差し向ける
三月末？ 阿是非七回忌。道松 自身の過去を知る
三週間後（四月某日） 信乃行水。額蔵と友情結ぶ
同日 額蔵仮病
二、三日後 亀篠 信乃を訪ねる。額蔵にスパイを言いつける
四日後 夜 番作の三十五日、逮夜の宴
同日 初更 逮夜の宴おひらき
翌日 朝 信乃 梅の木に文字写す。大塚家へ引越し
七月？ 信乃忌明け、元服
文明二年頃 浜路 信乃を意識しはじめる
文明三年 阿弥七（荒磯南弥六の弟）の長男阿弥太郎生まれる
（１４７１年） 安西成之介生まれる
三月某日 番作一周忌
翌日 朝 信乃・額蔵墓参り。八房の梅の実発見
五月 梅熟し八行の文字消える。里人の評判に
某日 蟇六 村雨丸奪うのをあせらなくなる
文明三、四年 浜路姫六、七歳。手習い、針など習い始める
（１４７１、７２年）
文明四、五年 毛野 田楽の技習い始める
文明四、五年頃？ 縁連 長尾家に仕官
某年※１３ 六月半ば 但鳥跖六 祇園会見物中に腹の中の声が悪事を叫びだしたため逮捕される
同年 六月十九日 夕方 素藤逃亡
同日 黄昏ごろ 侶奈氏（ともなし）村着。卒八（部下）逐電
六月二十日 暁ごろ 素藤腹ごしらえ。出発
同日 日暮れ前 垂井着。木偶舞（でくはし）屋宿。卒八とでくわす
同日 子の刻 卒八殺し、死骸を河に沈めて出発
数日後 筑摩温泉着。
五、六十日後（秋の初め？） 素藤 筑摩出発
数日後 夕方 熊谷・鴻の巣間の荒野を通る
翌日（翌々日？） 丑三時 苛九郎・旋風二郎が現れる
半刻？後 素藤 苛九郎殺して逃亡
翌日 明け方 鴻の巣着。朝食とり酒飲む
同日 巳の刻ごろ 出発
翌日 黄昏 武蔵司馬浜着。旅籠に泊まる
同日 夜 鎌倉の様子を店主に聞く
翌日 朝 素藤 船にのせてもらい上総目指す
同日 夕暮れ 木更津着。宿探すが見つからず
十月初旬 小鞠谷如満の領地にはやり病
十月初旬某日 丑三時 素藤 神社の楠に住む玉面嬢の話を聞く 上総館山城下の普善村到着
同日
同日 半刻？後（明け方） 素藤 持ち金を木のうろに沈める
翌日 辰の刻 〓（さら）谷〓九郎（一般人） 神社に詣でる
同日 半刻後 素藤 〓九郎を呼び止め例の水飲ませる
同日 約一刻後 村人ら 水のみにやってくる
一年後 素藤 大富豪に
同時期？ 館山城主 小鞠谷如満 素藤捕縛を命じる。兎巷遠親 素藤に内通
同日 数刻？後 遠親 素藤に下克上そそのかされる
同日 半刻後 遠親 下克上決意
同日 黄昏頃 遠親ら城に戻る。如満殺害。素藤 遠親殺害し領主に
数ヶ月後 素藤 里見家に帰順の使者送る
翌日 使者 義成に見参
数日後 素藤 里見家に初参
数日後 素藤 館山へ帰還
数ヶ月？後 素藤しだいに地金をあらわす
同年？ 某日 願八・盆作 素藤の密書を読み館山へ
文明五年 里見義通生まれる
（１４７３年） 阿弥七の次男増松生まれる
山名宗全・細河勝元あい続いて亡くなる
春 道節元服
三月 山名宗全病没
五月 細川勝元病没。応仁の乱終わる
某日 道節十五歳。火遁の書をはじめて見る。研究開始
十二月 足利義尚征夷将軍正五位下・左中将になる
文明五年頃 秋 外国の商船 洲崎に漂着。破船つくろった礼に里見家にオウムをくれる
文明五、六年頃 浜路 自分が養女だと知る
？ 馬加大記の娘鈴子生まれる
文明六年 真里谷柳丸生まれる
（１４７４年） 某日 小文吾十六歳、犬太殺害
翌日 文五兵衛 小文吾に説教。小文吾刀抜かないことを誓う
文明六、七年 角太郎十五、六歳。文武奥義きわめる
文明六、七年 竹林巽 豊後の大友の家臣の妻於兎子と駆け落ち、薬師院村へ
文明七年 道節十七歳。火遁の術をきわめる
（１４７５年） 春 沼藺 山林房八に嫁ぐ
七月 足利義尚十一歳、一条の太閤に樵談治要を撰ばせる
十二月末 犬江親兵衛生まれる
文明七、八年 竹林夫婦 銭尽きて於兎子の糸紡ぎで食べる
秋 箕梨九里平、老病のため隣家の於兎子と巽をやとう
暮 九里平死亡。巽 家をついで絵馬を売る
文明八年 ？ 犬江屋真平 文五兵衛が那古の弟と知る
（１４７６年） 秋 糠助の後妻死亡
秋 房八の父死亡
秋 見兵衛・見八 古那屋宿。見八・小文吾義兄弟に
秋 小文吾雪篠購入、でも死蔵
秋〜冬 古那屋文五兵衛の妻死亡
文明九年 応仁の乱終結
（１４７７年） 春（一月？） 大塚村民 信乃と浜路の婚礼を催促
春 某日 犬村儀清 角太郎と雛衣の縁談考える
翌日 角太郎元服
同日 夜 角太郎・雛衣祝言
春の末（三月？） 力二・尺八に縁談
春〜夏某日 見兵衛夫婦死去
四十九日？後 見八 養父の職をつぐ
四月十二日 力二・尺八結婚
四月十三日 豊嶋・煉馬の戦
同日 夕 道節 力二・尺八に豪傑のスカウト命じる
数日？後 力二・尺八 世四郎を頼る
夏 音音 荒芽山ふもとに移り住む
七月 糠助病床に
七月二十一日 信乃 糠助を見舞う
同日 夜 信乃、額蔵に糠助の話を伝える
七月二十二日 早朝 糠助死亡
同日 夜 糠助葬儀
数日後 糠助宅売却
秋 調布病床に。毛野自分の出自を知る
冬 調布死亡。毛野武芸を独学
十二月下旬 陣代簸上蛇太夫死亡
文明九、十年 須本太（牛）生まれる
文明九、十年 竹林巽 酒毒のため頭に瘡ができ失明
文明十年？ 扇谷定正、山内顕定と不和に。白井に在城し人馬調練
文明十年？ 四六城木工作の妻麻苗死亡
同年？ 浜路（姫）の乳母夏引、木工作の後妻へ
文明十年 寂寞道人肩柳（道節） 下野・下総・豊嶋を訪れ火定行う
（１４７８年） 太田道灌 湯嶋天神建立
春（三月初め？） 見八 獄舎長に
数日？後 見八辞表提出、獄につながれる
五月初 鎌倉で丶大法師と蜑崎照文出会う。小文吾の噂を聞く
五月某日 簸上宮六 新陣代に
同日 夜 庚申。大塚家で宮六もてなす
五月？ 念玉坊（丶大）行徳へ。観得坊（照文）市川へ
六月十四日 五倍二 宮六に仲人役を申し出る
六月十四日〜十九日 行徳周辺で雨降る
六月十五日頃〜十九日 民衆 円塚山に土壇築く
六月十五日 行徳で祇園会（雨で中止）
同日 五倍二 大塚家に縁談持ち込む
同日 半刻後 蟇六返答
同日 夜 大塚夫婦 信乃暗殺の計画練る
九ツすぎ 蟇六 妙計思いつく
六月十六日 未の刻すぎ 亀篠 左母二郎をかたらう
同日 夕 大塚夫婦 信乃に許我行き持ちかける
六月十七日 朝 信乃 菩提院へお参り
同日 申の刻少し前？ 信乃 滝の川弁才天に参る
同日 申の刻すぎ〜夕 神宮川で漁。村雨丸すりかえられる。
同日 宵 浜路 痞（つかえ）で臥せる
同日 夜 信乃たち帰宅
同日（翌日未明） 丑三ごろ 大塚夫婦 村雨丸（偽）点検
同日（翌日未明） 明け方近く 浜路くどき。八幡社頭で小文吾・房八相撲
六月十八日 早朝 額蔵 食事の用意。額蔵と信乃 旅の用意
同日 明け六つすぎ 信乃 伯母夫婦に一方的に挨拶
同日 四半刻？後 信乃・額蔵 行婦塚参り
同日 辰の刻ごろ？ 大塚夫婦起きだす。浜路不調のため床に。養父母看病
同日 朝 左母二郎発熱
同日 昼頃？ 大塚家へ五倍二の使いが来る
同日 申の刻 蟇六帰宅
同日 夕 信乃・額蔵 栗橋到着
同日 暮 亀篠 浜路に因果を含める
同日 申の下刻 肩柳火定
六月十九日 暁ごろ 二犬士起床、出立。お互いを送りあって別れを惜しむ
明け方 二犬士別れる
同日 朝 肩柳 経を読み始める
午前中？ 信乃 許我到着
同日 昼 左母二郎熱下がる
同日 夕方ちょっと前 左母二郎 家財道具を売り払い、計略をめぐらす
同日 黄昏近く 土壇の柴に火入れ
同日 日没すぎ 額蔵 千住川を渡る
同日 夕〜夜 道節改心
同日 初更近く 浜路 部屋を抜け出す
同日 初更頃 左母二郎・浜路 円塚山を通る
同日 初更すぎ 額蔵 円塚山へ。道節 身の上話語る。浜路死亡。額蔵ＶＳ道節
同日 亥の中刻 宮六・五倍二 大塚家へ
同日（二十日？） 半刻後 酒と料理出す
同日（二十日） 九ツ 額蔵 小石川通過
同日（二十日） 子の刻すぎ 蟇六 浜路の逐電を打ち明ける。夫婦惨殺。額蔵仇討ち
六月二十日 明け方 百姓・村の老人ら 問注所へ
同日 巳の刻 簸上社平・卒川菴八 額蔵と背介逮捕。鎌倉に書状送る
同日 信乃 執権横堀在村と面談
同日 暮れ 信乃 宿に帰る
同日 初更 鎌倉に大塚の事件伝わる。大石兵衛尉 詮議行う
六月二十一日 暁 丁田町進 鎌倉出立
同日 朝 信乃 刀のすり替えに気づく。
同日 昼 信乃御所へ。芳流閣の決闘。文五兵衛釣り。町進 大塚城着
同日 午の刻ごろ 念玉坊 神輿洗いの見物に出る
同日 七ツ頃 文五兵衛 信乃と現八発見
同日 夕 信乃・現八古那屋へ。小文吾小舟を沈める
同日 夕〜二更 町進 額蔵らを尋問→拷問
同日 日没頃 行徳浜辺で牛頭天王の祭
同日 日没後 小文吾 くせ者（房八）と小ぜりあい
同日 宵の頃 行徳・塩浜の若者ら喧嘩
同日〜二十三日 古那屋の奉公人休暇
同日 夜 丶大浜から帰る。信乃らの会話立ち聞き。見八 現八に改名
同日（二十二日） 子の中刻 鹹四郎 小文吾を呼びにくる
同日（二十二日） 丑三時 信乃・現八就寝
六月二十二日 明け方 背介絶命
同日 早朝 文五兵衛 朝食用意。現八起床。信乃破傷風
同日 巳の刻 文五兵衛 二犬士を起こす
同日 ？ 社平・五倍二 町進にワイロ。町進 額蔵に筆跡鑑定
同日〜二十四日 町進 額蔵を拷問
同日 昼 現八 志婆浦へ出立
同日 未の下刻 文五兵衛 荘官の使いに呼び出される
同日 七つ下がり 小文吾塩浜出立
同日 四半刻？後 小文吾 栞崎で房八にからまれる
同日 夕方（酉の刻？） 小文吾 新織帆太夫に信乃捕らえる約束、直後に念玉坊帰宅。鹹四郎ら乱入
同日 夜 照文ひそかに背戸から古那屋へ入る
同日 五ツ半 妙真 沼藺と大八（親兵衛）を連れて古那屋訪問
同日 四ツ頃 房八古那屋へ、小文吾と戦う
同日（二十三日） 丑三時 現八 古那屋到着。外で番をする
六月二十三日 未明？ 大八犬士として復活。沼藺絶命。房八死亡。現八 鹹四郎ら三人殺害
同日 未明 小文吾 房八の首級を届けに出立。信乃ら房八夫婦と三悪人の死骸を運ぶ
同日 明け六つ頃 信乃ら市川着。帆太夫偽首持って去る
同日 暮 小文吾・丶大 行徳から市川へ来る
同日 亥の中刻 山林夫婦埋葬
同日 四ツ時 信乃ら犬江屋着。今後の打ち合わせ
六月二十四日 未明 三犬士武蔵へ
同日 正午頃 文五兵衛 犬江屋着
同日 未の刻 三犬士 神宮河原着。〓（ヤス）平（姥雪世四郎）と出会う
同日 四半刻？後 信乃たち岡の上で額蔵救出を語らう。小文吾前髪落とす
同日 七つ下がり 三犬士 滝の川へ向かう
同日 ？ 文五兵衛・照文 行徳へ
同日 黄昏頃 三犬士 金剛寺で夕飯
同日 日没後 信乃・現八 弁天堂を出発、大塚村へ。現八 情報収集。二犬士夜まで墓参り
同日（〜二十五日） 夜更け〜丑三時 行婦塚詣で
同日（二十五日） 暁頃 二犬士 滝の川着
六月二十五日 夜明け 三犬士打ち合わせ
同日 早朝 三犬士朝食。小文吾・現八 大塚村へ。行婦塚と墓に参る。小文吾 商人に化けて城中へ。現八 滝の川へ帰る
六月二十五日頃 町進 鎌倉に処刑許可求める使いを出す
六月二十八（二十九？）日 文五兵衛 犬江屋へ
同日 夜 丶大 初七日の読経
六月下旬※１４ 道節 定正の後を追って音音の家に来る
七月一日 ？ 使者戻る。処刑許可出る
数刻？後 町進 大塚の長老らに処刑のこと伝える。長老ら額蔵救出を検討するも断念
夕 小文吾 大塚から戻る
数刻？後 三犬士 寺僧に明日の出立を告げる
日暮れ 三犬士岩窟堂で滝に打たれる
七月二日 朝 丶大 武蔵に三犬士探しに行くと告げる
同日 巳の刻ごろ 町進 社平ら集め処刑の打ち合わせ
同日 未の刻 丶大武蔵へ。照文市川へ。額蔵 庚申塚へ引かれる。三犬士刑場破り
同日 夕 夕立、犬士ら雨に助けられ逃走。〓（ヤス）平、力二、尺八の協力で川を渡る
同日 夜 四犬士 上野・信濃をめざし夜通し走る
同日（七月三日） 暁 世四郎 神宮の家に帰る
七月三日 明け方 雷電神社着。互いの来し方を語り合う
同日 世四郎 大塚へ行き情報収集
同日 朝（昼？） 額蔵 犬川荘助に改名
同日 七ツ下がり 犬士ら黙祷。その後桶川の郷へ
同日 夜更け 世四郎 息子の首奪って逃げる
同日〜六日 世四郎 荒芽山まで旅する
七月四日〜六日 四犬士 観光しつつ旅
七月五日 ？ 定正 砥沢山の狩の夫役を住民に割り当てる
同日 早朝 定正（偽） 砥沢の山で狩り
同日 朝 照文 妙真と今後を相談
同日 数刻？後 照文行徳へ
同日 正午 妙真 房八夫婦の二七日の供養。暴風舵九郎 妙真にせまる。照文・文五兵衛帰還、妙真助ける
同日 夕 妙真ら逐電
同日 日没頃 並松原で舵九郎一味と衝突。親兵衛神隠し。照文・妙真らと文五兵衛別行動に
同日 初更 文五兵衛 市川着
同日 二更 照文ら 大和田の里に宿をとる
七月六日 未明 曳手 夫役に出る
同日 ？ 四犬士 明巍山に参詣
同日 巳の刻 文五兵衛 大塚で額蔵らの行方たずねる
同日 未の下刻 荘助 茶店の遠眼鏡で道節発見
同日 申の刻 定正 白井城へ帰還。道節行列を襲う
同日 夕暮れ 四犬士 白井近くの村落で道節襲撃の噂を聞く。道節のとぱっちりで追手と戦う
同日 日没後 四犬士奮戦、道節助太刀
同日 宵 道節 竈戸三宝平と戦う
同日 初更頃 荘助 地蔵堂で桃食べる。道節と同士撃ち。
同日 夜 音音 冬服用の糸つむぐ。単節と思い出話
同日 二更 世四郎 音音の家訪れる。単節ひそかに世四郎を柴小屋へ、姉を探しに出る。
同日 ちょっと後 荘助 音音の家訪れる。音音 彼に留守頼み外出。
同日 ちょっと後 道節 音音の家へ。荘助と再会し語りあう。
同日 ちょっと後 道節・荘助 他犬士を探しに出る。荘役 道節の手配書持ってやってくる
同日（七月七日） 丑の刻 曳手ら力二・尺八連れ帰る
同日（七月七日） 五更 世四郎の包み開くと力二・尺八消滅。世四郎が現れ力二と尺八の死に様を語る
七月七日 夜明け前 荘役ら音音の家に踏み込む。犬士ら帰宅し返り討ち。
同日 夜明け 荘役らの死体を井戸に隠す。世四郎・音音の婚礼。
同日 夜明け少し後 白井の兵 音音の家襲撃。犬士ら離散。曳手・単節 行方不明
同日 朝 姥雪夫婦 富山へ、親兵衛と出会う
同日 夕 小文吾 木の株に腰かけて悩む
同日 夜 小文吾 白屋に宿
七月八日 未明 小文吾出立
七月八、九日？ 照文ら安房着
このころ 曳手・単節 お腹がふくれる
七月九日 夕方 文五兵衛 行徳着
七月十一日 文五兵衛 安房へ
某日 義成滝田へ。照文・文五兵衛・妙真ら召し出す。照文犬士を探しに旅立つよう命じられる
翌日？ 照文 兵士を連れ出立
七月十、十一日 七ツさがり 小文吾 阿佐谷通る。猪を倒す。
同日 四半刻？後 小文吾 並四郎を救う
同日 四半刻？後 小文吾 船虫の家到着
同日 亥の刻 小文吾 無理やり寝かされる
同日 数刻？後 小文吾 侵入者に気づく
同日 半刻後 並四郎 小文吾襲うが返り討ち
同日（翌日） 暁頃 船虫 菩提所へ（じつは注進に）。小文吾 嵐山をこっそり戻す
翌日 明け方 船虫帰る。小文吾出立
同日 四半刻？後 小文吾 捕手につかまる。小文吾すぐ釈放。船虫が逆につかまる
同日 数刻後 自胤 畑上語呂五郎から小文吾のことを聞く
同日 半刻？後 語呂五郎 村長のもとへ。兵を石浜城にやる。小文吾をもてなす
同日 未の刻 兵が戻る。語呂五郎 小文吾連れて石浜へ
同日 申の刻 語呂五郎 石浜着
同日 日暮れ 村長のもとに船虫連れてくるよう書状届く。村長ら船虫を石浜へ護送。
日没 馬加大記登場。船虫への対応を責められる。
同日 二更 曲者に船虫奪われる。村長ら事後策を談合。語呂五郎宿所に戻り、兵を集めて石浜を出る。
同日 四半刻弱？後 語呂五郎 船虫の逃亡知って狼狽、村長らを投獄
同日（翌日） 暁 語呂五郎就寝
翌日 巳の刻頃 語呂五郎 馬加に船虫の逃亡報告、投獄される
同日 馬加 自胤に小文吾への疑い吹き込み、小文吾を自分のもとへ留め置く。
翌々日 小文吾 馬加と対面
七月中旬 現八 荒芽山周辺での仲間探しをあきらめ下総に向かう
七月二十三、二十四日 現八 行徳着
同日 夕 船で江戸へ。そのまましばらく諸国漫遊
七月下旬 義成 妙真・文五兵衛に面談してなぐさめる
数日？後 妙真、依介に犬江屋つがせる話持ち出す
十日？後 文五兵衛・妙真 市川へ。犬江屋相続の段取りつける。文五兵衛古那屋を売却
数日？後 文五兵衛 安房で病に倒れる
十数日？後 村長ら釈放
同時期？ 語呂五郎獄死
同時期？ 現八 京到着
八月初旬？ 力二・尺八ジュニア誕生
秋頃 角太郎夫婦床だち
秋 犬村儀清の妻死亡
秋 船虫 一角の妾に
一ヶ月？後 船虫 一角の正妻に
冬 犬村儀清病床に
文明十、十一年 山鳩 吾嬬前に宮仕え
文明十、十一年頃 武蔵国葵岡で水難
同年 某日 知雨老師葵岡にあらわれ託宣
同年 三十余日後 村人大沼祭り行う。空晴れる
文明十一年？ 夏引 次第に継娘に冷淡に。泡雪奈四郎と不倫
文明十一年 里見次丸（のちの実尭）生まれる
（１４７９年） ？ 毛野 武芸一流を極める
春（一月？） 現八 京で道場開く
春 犬江屋に新人入る
二月初旬 妙真 文五兵衛の危篤を犬江屋に知らせる
一、二日？後 依介 文五兵衛のもとに。文五兵衛遺言
二月十五日 古那屋文五兵衛死亡
二月下旬 依介 安房出立
三月 小文吾 老僕品七と親しくなる
三月？某日 品七 小文吾に馬加の過去語る
同日 夜 春雨。小文吾物思いにふける
翌日 夕 品七病臥
同日（翌日） 真夜中 品七死亡
四月？ 小文吾 品七の死を知る
四月頃 石浜城下に女田楽五六人来る。馬加 うちの一人旦開野をとどめる
四月下旬 馬加 路線変更し小文吾を下克上に引き込む決意。小文吾を宴に招待
五月十四日 夜 小文吾 卜部季六に襲撃され、旦開野に救われる。旦開野と夫婦約束
五月十五日 朝〜昼 雨
同日 昼 小文吾 敵を警戒
同日 午の刻 鞍弥吾誕生の宴始まる
同日 未の刻 雨あがり、晴れる
同日 暮れ〜 旦開野を心配する
同日 夜 犬江屋依介ら乾鰯を千住へ運ぶ
同日（五月十六日） 子二つ 客次第に帰る。馬加主従爆睡
同日（五月十六日） 四更ごろ 対牛楼の仇討
同日（五月十六日） 半時後 旦開野 小文吾のもとへ。正体を明かす
五月十六日 夜明け 小文吾・毛野 石浜城脱出。生き別れに
同日 朝 毛野 犬坂村の叔父訪ねる
同日 午の刻 小文吾市川着。犬江屋でもてなされる
同日 申の刻 小文吾 行徳の菩提寺へ。以後四十九日間喪に服す
五十日後（七月末？） 小文吾 行徳出立
翌日 七ツ頃 小文吾 鎌倉到着。数日間逗留
数日後（八月某日？） 小文吾 鎌倉をはなれる決意
八月？ 小文吾 伊豆めざし船旅。船難破。伊豆大島で船の修理
秋 長尾景春 白井城へ。
秋 丶大 指月院住持に
秋？某日 白井城の井戸からわたたび丸出土
十月〜十一月 小文吾伊豆大島出発。また難破し三宅嶋に漂着
十一月 将軍足利義尚 判始評定始
文明十二年 氷垣夏行 落鮎有種を婿にする※１５
（１４８０年） 竹林巽 頭瘡は癒えるが目は痛むまま
某日 巽・於兎子改心
春 犬村儀清死亡
春 照文甲斐へ。丶大と再会
夏 荘助・道節 指月院宿泊
四月 角太郎夫婦 赤岩の両親と同居
四月某日 雛衣が礼の玉を呑む
翌日 礼の玉は出ない
翌日 礼の玉は今日も出ない
五月 雛衣懐妊
六月？ 角太郎 妻を離縁
七月？ 角太郎勘当、返璧に庵結ぶ
七月六日（七日） 丑の刻 現八 仲間の夢見る
翌日 朝 現八 出立を決意
八月半ば 現八 京を離れる
同日 現八 守山に宿
九月五日 朝？ 現八 上野国遭坂の里着。
半日後 現八 音音の家のあとを訪ねる。
同日 夜 現八 明巍山ふもとで宿
九月六日 現八 遭坂経由で旅する
九月七日 昼下がり 現八 網苧の里着
同日 四半刻？後 現八 茶屋で化け猫の話を聞く
七ツ時少し前 現八 茶屋を出る
同日 黄昏時 現八 山中でちょっと不安に
同日 夜 現八野宿、化け猫に遭遇。角太郎 犬の夢を見る
同日 四半刻？後 現八 一角の霊に会う
九月七日（八日） 暁 現八 一角と別れ下山
九月八日 巳の刻 現八 角太郎の庵着。解行を待つ
同日 正午頃 雛衣くどき
同日 正午ジャスト 角太郎解行
同日 未の刻ごろ 二犬士食事、議論を交わす
同日 未の下刻ごろ 船虫 角太郎の庵を訪ねる
同日 申の刻 船虫帰宅。現八 赤岩道場に向かう
同日 黄昏 現八道場着。籠山縁連も道場着
同日 偽一角 縁連に会う。わたたび丸吸収
同日 日暮れ 現八 道場に招きいれられる
同日 日暮れ〜夜 試合→宴会
同日 夜更け 現八 床につく
同日（九月九日） 丑三つ少し前 現八目をさまし部屋から脱出
同日（九月九日） 丑三時 牙二郎ら現八を襲撃、返り討ちに
同日（九月九日） 暁頃 現八 鬼火の案内で返璧に走る
九月九日 未明 大角早起き、雛衣と朝食の支度
夜明け 現八 返璧の庵着。縁連ら後をつけてくる
夜明け＋α 現八戸棚に隠れる。一角現れ雛衣の胎児を所望。雛衣自害。正体表した化け猫を二犬士倒す
九月十日 角太郎 棺つくらせる
九月十日頃 縁連 船虫護送、船虫に誘惑される
同日 夜 関係する
翌日 朝 一泊のばす。部下ともども悩む
数日後 縁連五十子城へ。定正に取り入って家中に入り込む
九月半ば 船虫 越後へ
九月？某日 船虫 山賊（酒顛二）に出会い妻に
九月十五、十六日 棺完成
数日後（吉日） 一角の棺を送る
翌日（吉日） 雛衣の棺出す
十月頃？ 小文吾 高瀬舟に乗せてもらって浪速津へ。有馬他で湯治
十月末 角太郎忌明け。角太郎家財の処分を決心
十二月末 家売れる
文明十二、三年 風九郎ら 鵞〓坊の部下に
文明十三年 正月ごろ 鵙平（茶屋の親父）なんとなく病む
（１４８１年） 二月 荘助 指月院出立。武蔵→行徳へ
二月初旬 鵙平死亡
二月半ば 二犬士出立を決める。角太郎 大角と改名
同日 角太郎 奴婢に暇を出す
翌日 二犬士出発
同日 夕暮れ 二犬士赤岩へ
翌日 朝 二犬士出立
同日 昼 庚申山めぐり、木こり（実は山の神）に昼飯をめぐんでもらう
同日 夕暮れ 網苧の茶屋へ
同日 夜 網苧宿
翌日 朝 二犬士 信濃方面へ
春〜 小文吾 北陸道を旅（一年間）
秋〜十四年春 荘助 陸奥を旅する
十月下旬某日 黄昏時 信乃 甲斐国通る。鉄砲で撃たれる（無傷）。泡雪奈四郎主従とトラブル。四六城木工作が仲裁
同日 初更 信乃 木工作の宿所到着
同日 夜 にわかに初雪つもる
翌日 朝 大雪
数日後 信乃 浜路を思いため息をつく
十一月 毛野の叔父死亡
十一月 （実は）一休宗純死去
十一月某日 夜 信乃 木工作の養女浜路に夜這いかけられる。
翌日 明け方 信乃 木工作と語り合う
数日後 木工作 信乃と奈四郎の仲直りを思案
十一月八日 木工作 奈四郎に会う。翌日の宴に招待
十一月九日 未の刻 木工作の家で宴会
同日 日没後 すきを見て夏引と奈四郎密談
十一月十日 木工作 村役の仕事。奈四郎に挨拶に行こうとするが果たせず
十一月十二日 夜 木工作 鳥獣に食われる夢を見る
十一月十三日 奈四郎 木工作を手紙で呼び出す
同日 昼 木工作 奈四郎のもとへ
同日 七つ下がり 木工作 奈四郎と口論。奈四郎に撃ち殺される
同日 夜 浜路姫 養父の帰りを寝ずに待つ
十一月十四日 夏引 奈四郎のところへ使いを出して木工作の消息訪ねる
同日 二時後 使い戻ってくる。夏引 小者出来介に山小屋を探させる
同日 夕方 出来介帰宅。収穫なし。木工作宅騒ぎに。村人総出の捜索開始
十一月十五日 朝？ 奈四郎の小者媼内 夏引に呼び出し状渡す
同日 午の刻前 夏引 ひそかに指月院へ
同日 昼 指月院の小坊主念戌 奈四郎らの会話立ち聞き
同日 夕 夏引・奈四郎 それぞれ帰宅。念戌 丶大・道節に報告
同日 夜 夏引 出来介をかたらう
同日 亥の上刻 夏引 背戸の鍵を開けておく
同日（翌日） 丑三時 媼内・〓（かや）内 四六城家の庭に木工作の死骸埋める
十一月十六日 明け方 出来介 死体発見
同日 朝 浜路姫発作 夏引 信乃を蔵に閉じ込め眼代を呼びにいく。
同日 一時？後 眼代到着。信乃と浜路姫連れてゆく。
同日 半時後 本物の眼代甘利尭元到着。夏引・出来介捕らわれる
同日 半時後 信乃たち指月院へ到着。丶大・照文と再会
同日 ？ 奈四郎 〓（かや）内を猿石村にやる
同日 暮れ 夏引・出来介投獄される。〓（かや）内急ぎ帰って事態を奈四郎に報告
同日 亥の刻ごろ 奈四郎主従逐電
同日（十七日） 暁 奈四郎ら篠子巓到着。〓（かや）内忘れ物とりに戻らされる
十一月十七日 朝 尭元 主君武田信昌に事件報告
同日 巳の刻 尭元 奈四郎の宿所包囲、〓（かや）内逮捕。
同日 黄昏頃 奈四郎主従 八王子着
同日 夜 〓（かや）内を尋問
十一月十八日 尭元 信昌に報告
十一月十九日 信昌 指月院訪問
同日 夜 丶大 木工作を火葬。犬士ら木工作の名跡について相談
同日 数刻後 犬士ら出立の相談・準備
同日（二十日） 暁 犬士ら出発
十一月二十二日 尭元 指月院訪問
十一月二十三、二十四日 未明 奈四郎主従 八王子出発
同日 七つ下がり 媼内 奈四郎を斬り金奪って逃走。直後に信乃が通りすがりにさらに斬る
同日 夜 四谷宿
翌日（二十四日か二十五日）巳の刻 墨田河で二犬士と浜路姫たち別れる
冬（十二月？） 媼内 越後で博徒の仲間に
冬 満呂再太郎 人魚の油つけて泳ぐ
注
※１ しかし定包が城主になって数ヶ月のような描写。
※２ 嵐山紛失を弱冠（＝二十歳）の頃の出来事と語っている第五十三回の記述が根拠。
※３ 作中には「為清」の母とあるが、「件の母子」などの表記からすればやはり為清の母ではなく為清の妻すなわち盧橘の母であろう。
※４ 原文（第九回）には「康永の年間」とあるが、康永は１３４２〜４５の年号であり嘉吉よりさかのぼることになる。「（鎌倉で管領になって）はや十余年を経にけれども」という文から考えて康正年間（１４５５〜１４５７）の間違いであろう。実際第十六回では康正元年としている。しかし第二十四回では享徳四年六月十三日説もあげている。
※５ 翌年に里見・安西の戦、さらに翌年に伏姫死亡のはずだが、第十五回で伏姫死亡は長禄二年としているのと矛盾する。八犬士の生まれ年からすると伏姫死亡−長禄二年説をとり、里見・安西戦は長禄元年、安西領の飢饉は康正二年と見た方がよさそうだ。
※６ 第十六回では安西滅亡を康正元年としている。
※７ 伏姫・五十子の死は長禄三年となっているが、この義実出家シーンの記述からも長禄二年死亡の方が正しかろう。
※８ 第二十三回で、糠助は信乃は冬（十月〜十二月）の生まれだと言っている。たぶん糠助の勘違い。
※９ 嵐山紛失は毛野が生まれる少し前（寛正六年）のことなので、この記述はおかしい。
※１０ このエピソードに関して道節は寛正四年当時六歳とくりかえし書かれているが、長禄三年生まれなら五歳、浜路とは三つ違いのはずである。
※１１ 第七十九回で荘助自らが〈父の死は自分が五、六歳のとき〉と語ったりしているが・・・。
※１２ 甲斐国の物語の描写（鷲にさらわれるあたり）からするとこの年の生まれのはずだが、第百八十回下では四の姫である竹野姫と同じく十七歳である（「十七八歳」とあるが、三の姫が十八歳、六の姫七の姫が十六歳なので十七歳の方が正しいのだろう）。文正元年生まれとすれば甲斐で信乃と出会った時点で十七歳、百八十回下の時点では十九歳である。蟇田素藤が彼女を見初めた場面（文明十四年）では「妙年二八」と書かれており百八十回の描写に沿っている。
※１３ 素藤の経歴については何年のことか書いてないが、館山城主を数年つとめたらしい様子から文明五年あたりに入れただけで、この年である根拠は全くない。
※１４ この〈六月下旬〉というのは文明九年のこととも取れるが、（十年に白井に戻った）定正を追って、というところから文明十年だろうのことだろうと推測した。
※１５ 第八十五回の描写では文明十一年ぽい。さて？
〈ｈｏｍｅ〉
〈ｎｅｘｔ〉
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