完結記念・碧也ぴんく『八犬伝』を語る
１１月１日発売の第１５巻をもって、碧也ぴんく『八犬伝』が完結しました（連載自体は６月に終了してましたが）。原作『南総里見八犬伝』にはまって間もなかった私を本格的に『八犬伝』フリークたらしめたのがこの作品でした。
「関連書籍」のコーナーでも書いてますが、多々ある『八犬伝』ものの中でもキャラクター個々の性格をもっとも深く掘り下げたのはこの碧也版『八犬伝』ではないかと思っています。ふとした表情や台詞の間にも彼等の心情が細やかに描写されていて、読み返すほどに深くなる味があります。
後半『ミステリーＤＸ』に移動したあたりからちょっと急ぎ足になってしまったのが（二度も雑誌が休刊してるので無理もないんですが）いささか残念です。とはいえ、それこそ二度の休刊にもかかわらず、通常切られてしまいがちな対管領戦もきっちり描き、無事作品を完結させてくれただけで、原作ファンとしても碧也作品ファンとしても感涙ものです（思えば原作からして版元が数度替わってたり。余談ながら私が別館でファンサイトをやっている長編マンガ『超人ロック』は４回（数え方によっては６回）の休刊を経験してます）。
そこで完結をきっかけに碧也版『八犬伝』への思いなどつらつら語ってみようと思います。個人的思い入れ、もしくは思いこみを語るという性質上、必然的にいつもよりミーハー度が増してます。しかも結構マニアック（コミック片手に読まないとわからない部分も多いかも・・・）ですが、よろしかったらおつきあいくださいませ。言葉にすると陳腐になってしまうというか、我ながら気恥ずかしい表現も多々ありますが、そのへんはご勘弁を。
注：文中にたびたび出てくる「キャラクターファイル」というのは『歴史ロマンＤＸ』連載時に５回にわたって掲載された八犬士のプロフィール・Ｑ＆Ａ（犬士が質問に答える形式）・キャラクターに対する作者のコメントをのせたコーナーのことです（１回につき犬士一人を紹介）。紹介されたのは順番に毛野、現八、大角、信乃、荘助の５人。ここで雑誌が休刊になったため他の３人はなし（泣）。残り三犬士の分も書き下ろしてまとめてコミックスに収録されるかと思ってたんですが、されませんでした・・・。いずれ何らかの形で合わせて発表してくれないかなあ。
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